ミャンマー技能実習生

ミャンマー技能実習生 出国送出しの様子

日本語の上達が早く、日本の職場になじみやすい
ミャンマー技能実習生

ミャンマーの若者は、ほぼ100%スマホを所有しています。スーパーでは、中国、タイ、ベトナム製品があふれ、テレビでは、韓国のドラマ、歌番組、バラエティが終日流れます。外国への出稼ぎがさかんで、海外で就労経験のある親兄弟、親戚から外国の情報を入手することができます。日を追うごとにミャンマーの若者の「知っていること」は増えつづけています。手軽に手に入れた情報で一喜一憂、往左往し、実感値のない「頭でっかちで、わかったつもり」のミャンマーの若者。わたしたちは「わかったふり」「できるふり」をしないで、継続して努力する習慣をつけさせることを念頭において、日々の指導をおこなっています。

ミャンマーの小学校の理科の授業では、「つばめが低く飛ぶと雨」のような、生活の知恵ともいえるようなことも教えます。大学の製図の授業では、CADも教えますが、コンピュータの台数が不足しているため、手で図面を模写する時間が長いようです。ミャンマーの教育は、暗記中心で実践的ではないとミャンマー国内では批判されていますが、日本の学校教育で失われつつある実にアナログで、基礎的な訓練をミャンマーの若者は受けてきています。

ミャンマーは、130を越える他民族国家であるため、和を重んじ、はみださない気質をもっています。ミャンマー語は、日本語と語順が同じで文法も類似点が多く見られ、ミャンマー人は日本語の習得が早いといえます。小学校1年から英語教育がはじまり、大学の講義はすべて英語でおこなわれ、実習生にも簡単な英語が通じ、日本の職場に溶け込みやすい土壌があります。

ミャンマー技能実習生 の特徴

ミャンマー技能実習生 習字の練習

●2013年より実習生送出しが再開、送出し人数はまだ少ない。
●信仰心が厚い・親日・和を重んじる気質・日本語習得が早い・希望者の約1/3が大卒者。
●農業以外に国内産業がなく海外出稼ぎがさかん、海外での就労経験者が実習生希望者にも多く含まれる。

出国までのスケジュール

ミャンマー技能実習生 出国までのスケジュール

技能実習生希望者の募集と選抜

●日本滞在中の実習生、出国準備中の生徒からの紹介を原則とし、広告、ブローカーを通じての入学受付はしません。生徒の質を維持できるよう、求人オーダーに見合った適正な生徒数を確保します。
●技能実習制度に対する親の理解と認識が正しいものであることが、実習生の日本での活躍につながります。定期的に親向けの説明会を行い、実習生制度の目的、意義について理解を促します。
●2ヶ月間の「お試し期間」を通じ、日本語の学習にたえられるかを生徒本人に考えさせます。
●親の意向、健康診断、体力テスト、基礎学力テストを通じ、総合的に本科生を最終決定します。
●就業中の学生は、面接合格まで土、日等、休日のみ受講できるように配慮しています。

進路指導

●短時間の面接で適性を見極めることは困難です。ことばができるからといって仕事ができるとも限りません。学校が生徒に「与えた」志望動機を暗記させても何の意味もありません。普段の行動、態度を注意深く観察し、日本で働ける準備ができたかどうかを確認します。

●本人の特性と必要性と残業の有無、仕事の難易度を照らし合わせて、求人との適性を理解させます。

●現状、実習生希望者には、大学卒業者が多く含まれます。ミャンマーでは、大卒はホワイトカラーで社会的なステータスが明らかに違います。プライドの高い大卒者には、日本では労働者として働くことを認識させます。

●安易な期待感が日本入国後のトラブルにつながります。正直に、日本の実習生の働く環境を説明し、理解した者だけを面接に参加させます。

事前教育・日本語教育

●ミャンマーでは、日本語学習が盛んですが、ミャンマー語の解説がのっている日本語学習教材は限られています。

日本で仕事をするためには、第一に、指示を聞いて、理解することが求められます。

・企業面接に合格した生徒は、面接合格後400時間以上日本語教育を受けます(面接前約200時間)。

・会話文を中心に前半2ヶ月でN4までの範囲を終了。後半2ヶ月で文法と聞く書く訓練を繰り返します。

・理解の早い学生は、出国までN3の学習を進めます。

・講師の育成をかねた、1フロアーで、少人数・習熟度別のグループ学習。

ミャンマー語の特徴、日本語との比較

ミャンマー語は日本語と語順、文法構造が似ており、ミャンマー人にとって、日本語は習得しやすい言語です。

●ミャンマーはイギリスの植民地であったため、小学生から英語教育がはじまり、実習生でも簡単な英語であれば通じます。ただし、イギリス英語のため、日本人が使っているアメリカ英語(米語)とは発音、アクセントが異なるため通じないことがよくあります。外来語は、Aircon、Water、GAS、英語でそのまま使うか、車はCar、バスは、Buscar、サンプル、Sampleのように、英語にミャンマー文字を当てて、ミャンマー語として使われている言葉もあります。ミャンマー人は英語になじみがあるため、逆に、日本語のカタカナ英語の表記に苦労します。

●発音: ミャンマー語の母音は、7つ([a][i][u][e][ɛ][ɔ][o])で二重母音はありません(日本語の [a][i][u][e][o]」に近い)。声調は3つでミャンマー人は日本語の発音を苦にしません。ミャンマー語では「tsu」の発音はありません。また、つまる音(促音)がありません。「Kyou」の発音もないため、東京は「トウチョウ(toucho)」と発音します。

 ●文法:
・ミャンマー語にも敬語があります。
・「しておく、たべてみる」などミャンマー語にも2重動詞があります。
・授与動詞「あげる、もらう」はある、「くれる」はない。
・受動態はありますがほとんど使いません。
・ミャンマー語の時制は、おおざっぱにわけて、現在・過去形と未来系の2区分で日本語と同様、現在進行形や完了形のような時制はありません。さらに主語を省いて話し、話し手(主語)がはっきりしないところまで、似ています。
・厳密にはミャンマー語に形容詞はありませんが(状態動詞としての扱い)、感情表現など日本語と相似しています。

面接後から出国まで

面接後、在留資格申請時

●ミャンマーでは、技能実習生の失踪・逃亡防止策の一環として、独自の「求人票」の事前審査をおこなっています。これは実習実施機関、監理団体の情報を収集、確認し、安全に実習生を送出すための手続きです。(意味合いとしては「ミャンマー労働局が事前に審査し、実習生の派遣にふさわしい実習実施機関、監理団体へ実習生を派遣するのだから、実習生は規則ルールを守り失踪、逃亡をしないで最後まで勤め上げなさい」「知らなかった、知らされていなかった」、で済まないようにするミャンマー側の防御策です。)

●一般社団法人日本ミャンマー協会が労働省、大使館から業務を受託し、手続きをおこなっています。

在留資格交付後

●在留資格交付後のビザ申請では3日程度でビザは取得できます。

●ミャンマーでは、技能実習生の失踪・逃亡防止策として、独自のいくつかの取り決めを定めています。出国にあたっては、海外労働許可書(スマートカード)の取得が必要です。出国前に3日間、労働省による事前講習を受けます。講習では、技能実習生のルール規則、日本での相談体制、罰則規定などの説明を受けます。実習生の出国が多い時期には、この講習申し込みが取りにくいことがありますので、あらかじめ余裕のある日本入国スケジュールをお立てになりますことをおすすめいたします。

●渡航航空券は直前でも比較的、座席を確保できます。航空券費用は、一人あたり500USD前後です。ミャンマーからの渡航は、バンコク、ハノイ、シンガポール等での、のりつぎがあり、日本に朝到着の便がほとんどです。そのため、他国の実習生と一緒に送迎を予定されている組合様には申し訳ないですが、到着時間を他国の実習生と合わせることが難しい場合があります。

●出国前には、実習生と両親、兄弟などと親子面談を行い、実習生の目的、意義など意識付けをします。

日本入国後のサポート( 失踪対策 ・逃亡防止)

●余暇の充実やストレス解消の習慣のないミャンマーの若者は(カラオケ、映画くらいしか娯楽を知らない、実習生で日本に来る20代、30代の若者はディスコなどには出入りしません)、スマホに依存し、ストレスをためこみます。また、突然お金を手にした若者は生活が乱れやすくなります。母国にいる親兄弟と連携し、とにかく、目をはなさないことがポイントです。大家族で育ったミャンマーの若者は周囲の気遣いが感じられれば安心します。

●親家族の環境の変化が実習生の心理に影響することがあります。息子、娘が毎月送金してくる仕送りで金銭感覚が麻痺してしまう。親が実習生である息子、娘への要求額が増えていく、そういったことが引き金になって失踪するケースもあります。親が急に贅沢になっていないかどうかなども送出し機関がチェックしています。

●テキストの配布等による継続学習のご支援もさせていただいております。ミャンマー語で解説された日本語教材は皆無です。オリジナル教材の作成を進めています。

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